稀勢の里の基本情報
四股名 | 稀勢の里 寛 (きせのさと ゆたか) |
本名 | 萩原 寛 |
生年月日 | 1986/7/3 |
身長 | 188㎝ |
体重 | 171㎏ |
出身地 | 茨城県牛久市 |
出身校 | ― |
所属部屋 | 鳴戸部屋 →田子ノ浦部屋 |
得意技 | 突き、押し、左四つ、 寄り切り |
初土俵 | 2002年大阪場所 |
十両昇進 | 2004年5月場所 |
初入幕 | 2004年九州場所 |
横綱昇進 | 2017年大阪場所 |
最終場所 | 2019年初場所 |
通算成績 | 714勝453敗97休 |
受賞歴 | 優勝2回 殊勲賞5回 敢闘賞3回 技能賞1回 |
幕内在位 | 85場所 |
稀勢の里の強さについて
おっつけを武器に突き押し・四つ相撲を使い分ける万能型
稀勢の里は、おっつけ(相手の肘を極めて動きを封じること)を軸に、突き押し・四つ相撲を使い分ける万能型の相撲が持ち味です。
特に、おっつけの上手さは歴代でも屈指で、押っつけで相手の重心を浮かせて、一気に勝負を決める力がありました。
デビュー時はおっつけからの突き押しの速攻相撲が得意としていましたが、幕内まで昇進してからは四つ相撲に磨きがかかり、必殺の型と呼ばれるまで技術を昇華。
最終的には、若乃花以来となる、19年ぶりの日本人横綱まで上り詰めました。
長い大関生活の末に、横綱昇進を決める!
稀勢の里は、中学卒業後に角界デビューをしてから、わずか2年で幕内まで昇進しました。(18歳4か月での入幕は歴代2位の若さ)
当時の四股名は本名の萩原でしたが、その出世スピードの勢いと、稀な才能が「稀勢の里」の四股名になったほどです。
(「~の里」は当時の鳴戸親方の現役時代の四股名・隆の里が由来)
入幕から2年後には三役に昇進し、その5年後には大関(26歳)と、入幕後のキャリアは順調そのもので、誰もが「近い将来の日本人横綱誕生」を期待しました。
しかし、大関生活は非常に長いものになりました。
当時全盛期を極めていた白鵬や、日馬富士・鶴竜などといった、力のあるライバルに優勝をさらわれていたことに加え、神経質なメンタルもあって綱取りがかかった大一番で負けるなどの勝負弱さが指摘されることもありました。
しかし、7度目の綱取りとなった大関生活6年目に覚醒。
2017年の初場所で白鵬を下すなど出色のパフォーマンスを見せて初優勝を決めると、場所後に悲願の横綱昇進が決定。
当時、師匠だった鳴戸親方が急逝したこともあり、親方の墓標に花を添える昇進となりました。
キャリア晩年はケガに苦しみ、戦績もふるわず短命横綱に終わる
横綱に昇進して臨んだ2017年の大阪場所で初日から連勝街道をひた走るも、日馬富士戦で肩を負傷。
その後もケガを押して出場し、なんとか2度目の優勝を決めて横綱の責任を果たしますが、このケガを負ってからは休場が増えて満足な相撲が取れなくなります。
最終的に横綱在位は2年・12場所で、また皆勤出場した場所も2場所のみと、短命横綱として現役キャリアを終えました。
もともと、稀勢の里は休場が少ない力士で、親方の教えもあり、ケガを負っていても強行出場することを美学としていました。
横綱の責任を果たすために、昇進後も美学を貫こうとしましたが、ケガをかばって相撲をすることで別の個所を痛める悪循環に入りったことが短命の原因に。
また負け越しが続くと引退させられる横綱の立場上の問題も、休場が増えた要因となったようです。
親方としてのキャリア
年寄名跡”荒磯”を襲名
2019年の初場所で引退した稀勢の里は、現役時代に取得していた年寄名跡・荒磯を襲名します。
田子ノ浦部屋付きの親方として、後輩力士を指導しています。
特に、現役時代から部屋の2枚看板として活躍していた髙安には、自ら胸を出して稽古をつけるなど、期待をかけて厳しい指導をしているようです。
人気と解説の上手さに定評があり、広報部に所属
現役時代の稀勢の里は、インタビューでも口数が少なく、バラエティー番組への出演も拒否するなど、寡黙な力士として知られていました。
しかし、引退後のテレビ解説などでは、ハキハキとした快活な話し方に加え、力士の精神状態や取り組みのポイントなど、現役時代の経験を活かした解説が、非常にわかりやすいと好評に。
その解説の上手さや現役時代の人気が評価され、2020年の職務分掌では後進の指導をする指導普及部から、メディア対応を務める広報部に異動。
相撲人気の向上のために、協会のスポークスマンとしての活躍が期待されています。
稀勢の里のキャラクター・逸話
現役時代は寡黙でストイックだった
現役時代の稀勢の里は、昔ながらの力士という評判でした。
メディア対応の際も口数は少なく、またSNSでファンとのコミュニケーションも取らずに、黙々とストイックに相撲に打ち込む”孤高の存在”だったのです。
もともと、神経質で責任感が強い性格だったことに加え、「力士はチャラチャラしてはいけない」と考えていたこともあり、現役時代はメディアには口を割らないようにしていました。
しかし、引退後のハキハキとわかりやすい解説や、丁寧なメディア対応が評価されているように、素顔はジョークが好きで、人を笑わせるのが好きなサービス精神の持ち主のようです。
今後の活躍は?
現役時代は、横綱に昇進するもケガに泣くなど、悩みが深いキャリアを過ごした稀勢の里。
親方に転身後は、横綱の重責から解き放たれたのか、もともとの明るいキャラクターを見せるようになり、現役時代と異なる魅力で人気を集めています。
今後は、わかりやすく丁寧な解説をテレビ中継だけでなく、後進の育成にも活かして、自分に続く横綱を輩出する名親方になってほしいところですね。