本場所開催地は東京が最北端!
大相撲は年間で東京・両国で3回、名古屋、大阪、九州場所で1回ずつの計6場所・隔月で開催されています。
このように、今ではおなじみの本場所会場ですが、開催地を見てみると、東京が最北端になっています。
これは、東北・北海道は相撲人気がないから、東京が最北端になっているわけではありません。
むしろ東北・北海道は相撲熱が高い地域で、かつての名横綱である大鵬や千代の富士、舞の海など、北国出身の名力士は数多く存在します。
(特に北海道・青森は力士の名産地で有名です)
では、なぜ相撲どころである東北以北では本場所が開催されないのでしょうか?
東北・北海道で本場所が催されない事情
もともと大相撲は、昭和以前は春場所と夏場所それぞれ10日間のみの本場所を行い、あとは巡業で地方を回っていました。
真剣勝負の本場所が2場所20日間のみということもあり、当時は「1年を20日で暮らせる身分」と言われるほど、スケジュールには余裕があったのです。
しかし、戦後復興に伴い相撲人気が高まったことで、大阪や福岡、名古屋といった大都市で本場所開催の要望が強まり、1958年から現在の6場所制がスタートします。
その際にも、仙台や札幌などの北の大都市でも大相撲を開催してほしいという要望はありました。
しかし、戦前のころと比較すると北海道の炭鉱など地場産業の景気が芳しくないため、費用面・スポンサーの問題や、大相撲を開催できる施設・設備の問題もあり、実現が難航。
また「東北・北海道場所として開催してはどうか」という意見もあったようですが、15日間での移動距離と、年間7場所になることによる力士の負担を考えると断念せざるを得なかった、というのが実情です。
東北・北海道巡業をガッツリ行って、北国のファンにサービス!
このように、東北・北海道での本場所開催は断念しましたが、代わりに夏の巡業は1か月かけて東北・北海道の各地を回るようにしています。
北国のファンへのせめてものファンサービスであると同時に、角界に多くいる北国出身力士のモチベーションアップにも、東北・北海道巡業は一役買っているようです。
また、近年は東北・北海道のプロスポーツも盛り上がっているため、もしかしたら本場所改革が起こり、東北・北海道場所が開催される日が来るかもしれませんね。