腕を返す(かいなをかえす)
差し手の手の甲を相手の背につけるようにして肘を張ること。
相手に上手(うわて)を取られるのを防ぐことができる。
がいにする
こてんぱんにやっつけること
顔じゃない(かおじゃない)
分不相応であるさま。番付や実力、貫禄が伴っていないことを指す。
かち上げ
立ち合いの瞬間に、利き腕をかぎの手に曲げたまま、相手の旨やあごを突き上げ、相手の体を起こす技。相手に懐に入られるのを防ぐために使われることが多い。
がちんこ
真剣勝負のこと。転じて融通の利かない人のこと。
かます
質に入れること。転じて「かまし屋」とは質に入れること。
かわいがる
ぶつかり稽古などで、兄弟子が若手力士に稽古をつけること。
観察委員会(かんさついいんかい)
相撲競技観察委員会のこと。八百長や無気力相撲の防止のため、観察・懲罰を行う機関。委員は親方が務める。
勧進元(かんじんもと)
巡業などの興行主のこと。
敢闘賞(かんとうしょう)
三賞の一つ。敢闘精神あふれる相撲内容を見せた力士に送られる。優勝争いを演じた力士に送られることが多い。
北向き(きたむき)
変わり者のこと。
技能賞(ぎのうしょう)
三賞の一つ。卓越した技能を発揮した力士に与えられる。決まり手の種類が多彩であることも受賞条件の一つだが、投げや立ち合いなど基本の型に忠実な力士が受賞することもある。また、多彩な決まり手を披露しても「相撲の基本技術がおろそかである」という理由で受賞できない力士もいた。
このように「いろいろな意味で他の力士の模範になるような力士」が受賞するといえる。
三賞の中でも特に選定基準が厳しく「対象者なし」となることも多かった賞である。
決まり手(きまりて)
勝敗を決める時の技のこと。以前は「四十八手」といわれていたが、現在は「八十二手」に定められている。
給金相撲(きゅうきんずもう)
本場所で勝ち越しがかかる一番のこと。勝ち越すことで評価につながり、給料・番付に影響するため。
禁じ手(きんじて)
反則技のこと。下記の8つが禁じ手に定められている。
①拳で殴ること
②頭髪をつかむこと
③目やみぞおちなどの急所を突く
④両耳を同時に掌で張る
⑤前立て回し(陰部を覆っている部分)をひくこと
⑥のどをつかむこと
⑦胸や腹を蹴ること
⑧1,2本の指を折り返すこと
金星(きんぼし)
平幕力士が横綱を倒すこと。本場所ごとの給金が10円加算される。
力士の給金は4千倍で計算されるため、本場所ごとにプラスで4万円の給料アップで、引退するまでもらうことができる。
また、金星を挙げると館内から土俵に座布団が投げ込まれることがあるが、危険なため推奨されておらず場内アナウンスでもやめるように促される。
軍配(ぐんばい)
取り組みの際に行司が持って勝敗を示す団扇。大半が木製で文字や絵が描かれている。
卵型とひょうたん型がある。
稽古総見(けいこそうけん)
横綱審議委員会に日ごろの稽古の成果を見せるために、ほぼ全ての力士(特に関取)があつまり、合同で稽古を行う催し物のこと。
本場所まで残り2週間を切ったタイミングで開催されるため、最終調整の意味合いでガチンコ勝負をする力士もいれば、流すように調整する力士もいる。
一般観客も見学可能(しかも入場無料)だが、 通常の稽古見学とは異なり、いろいろな力士の申し合い稽古がみられることから、早朝から行列必至となる。
ケンカ四つ(けんかよつ)
得意としている差し手(まわしをつかむ手のこと)が互い違いであること。同じ側の手でまわしをつかもうと争うことになるのでケンカのやりあいのように見えることから。
懸賞金(けんしょうきん)
幕内の取り組みのかけられる賞金のこと。取り組みに勝利した力士が受け取る。
スポンサーが出す金額は7万円だが、広告制作・場内放送料の1万円と税金調整用に協会が3万円を預かるため、力士の手元にわたるのは3万円である。
後援会(こうえんかい)
相撲部屋や力士個人に対して、応援・援助を行うために発足される組織。力士の出身地による場合が多い。
ごっつぁん
「ごちそうさま」がなまったことば。「ありがとう」などいろいろな意味で使われる。
「ごっつぁん体質」とはスポンサー(タニマチ)に面倒を見てもらう(お金や食事など)を常識と思うようなこと。
一昔前まではごっつぁん体質の力士も多かったが、反社会的勢力とのつながりなど悪いイメージが強いため減少傾向に。現在は学生相撲出身でストイックな力士が多い。
後の先(ごのせん)
立ち合いで相手より後に立ちながら、自分に有利な体勢に持っていくこと。
基本的に先手必勝である相撲において、相手の立ち合いを観察する余裕・実力がなければ成り立たない戦法である。
こんぱち
指で相手のおでこをはじくこと。「しっぺ」のようなもの。
初めて髷を結った力士に支障や兄弟子がこんぱちを入れた後にご祝儀を渡す風習がある。