親方は、元々有名な力士だった人が多いですが、どうやったら親方になれるのでしょうか?
今回は、親方の資格の取得方法について紹介します。
どんな人が親方になれるの?
親方(年寄)になれるのは、引退した元力士ですが、力士であれば全員が親方の資格を得られるわけではありません。
親方になるには、年寄名跡という資格を取得する必要があります。
※稀勢の里が引退後に「荒磯親方」になったように、親方は決まった名跡の中から襲名することになります。
なお、年寄名跡は俗に「年寄株」「親方株」ともいいます。
年寄名跡の取得条件
年寄名跡を取得するには、下記の条件が必要です。
・日本国籍を持っていること。
・三役以上を一場所以上務めるか、幕内通算20勝以上。
・上記に満たない場合は、幕内・十両で通算28場所以上を務める。
このように、最低でも関取になって数年は活躍する必要がありますし、外国籍のままでは年寄名跡を取得できません。
なお、現役中に相撲部屋を継承する予定になっている力士は、下記のように少し取得条件がゆるくなります。
・幕内を通算12場所以上
・幕内・十両を通算20場所以上
それでも継承資格に達しない場合は、相撲協会の理事会でその是非を決議することになります。
また、年寄名跡に空きがない場合は、準年寄として空きが出るまで待つことになります。
横綱・大関経験者は親方になっても特別扱いを受ける!
横綱・大関を務めた力士は、引退後は現役の四股名のまま年寄の資格が得られます。(横綱は5年、大関は3年間、現役名を名乗れます)
現役の名前を名乗れるメリットは、下記のとおりです。
・年寄名跡に空きがなくても年寄として協会に残ることができる
・すでに知名度のある名前なので新弟子の募集や後援会の獲得に有利
・平親方より上の委員待遇を受けられるため、年寄の中でも上位に置かれる
(収入も平親方より多い)
3年・5年が経過して委員待遇がなくなると、平年寄から主任に昇格するか、審判委員に起用されます。
なお、主任に昇格した後は、短期間で委員に昇格するようです。
(番付上は主任には昇格するが、委員待遇を受けていた時と比べると収入は減るため)
その後、親方として出世を続けると、役員や理事になります。
このように、大相撲の顔として貢献した横綱・大関は、引退後も特別な扱いを受けられるのです。
親方の資格取得は大変
親方になる、ということは相撲部屋の、のれん分けを意味します。
歴史ある大事な部屋の看板をのれん分けするのですから、生半可な力士では簡単に親方になれないことがわかります。
今後引退する力士が、親方になれそうかという点で着目してみると、違った観点で相撲を楽しむことができそうですね。