相撲部屋に入門すると、力士は共同生活を送り、稽古に明け暮れる日々が続きますが、具体的に力士はどんな生活をしているのでしょうか?
今回は、ある相撲部屋の力士の一日のスケジュールを紹介します。
※本記事の生活リズムはあくまで一例で部屋によって異なる場合があります。
朝5時~:起床
早朝からの稽古に備え、5時くらいには起床し、稽古の準備を始めます。
特に番付が下の力士は、兄弟子や上位の力士よりも早く起きて稽古の準備をしなければいけません。
朝6時~:幕下以下が朝稽古をスタート
稽古は番付下位の力士からスタートします。
四股やすり足など、基礎動作を通じてウォームアップでたっぷり汗を流します。
親方が稽古場の上がり座敷に現れると、出迎えて挨拶をします。
朝8時~:関取(十両以上)が稽古に参加
関取衆が稽古場に現れるのは、8時くらいから。
稽古場に来ると、関取衆も親方に挨拶を済ませ、基礎動作からウォームアップをはじめたり、あんま(若い衆に体を押させる)で体を慣らして稽古に入ります。
朝10時~11時くらい:稽古終了
三番稽古や、申し合い、ぶつかりげいこなど、実践形式の稽古を終えると、その日の稽古は終了します。
本場所が近いときなどは少し早く切り上げたり、場合によっては居残りで調整したりします。
稽古を終える時には、全員で四股を踏んだり、部屋の教訓を唱和したり、神棚にあいさつしたりと、部屋によって終わり方が異なります、
11時~午後1時:お昼ご飯(ちゃんこ)
稽古を終えると、番付上位の力士から風呂に入り、お昼ごはんを食べます。
番付下位の力士は、お風呂は最後になりますし、食事の用意もしなければいけません。
また、親方や関取衆がご飯を食べているときは、若い衆・下位の力士は後ろに立って給仕をします。
食事も番付上位の力士から順番に食べ始めるため、下位の力士がご飯を食べられるのは午後1時くらいになることも。
朝ごはんは食べないの?
朝5時に起床してから、お昼ご飯のちゃんこまで、基本的に力士は食事をしません。
その理由は、効率的にバルクアップ(体を大きくすること)できるからです。
朝から食事をせず激しい稽古をし、お腹の中を空っぽにすることで、食事の栄養を効率的に吸収できるためです。(むしろ小まめに食事をする方が太りにくい)
栄養学的にも立証されているバルクアップ手法を昔から相撲界では実践してきたようです。
午後2時~午後4時:お昼寝
たっぷりとご飯を食べた後は、若い衆は大部屋で昼寝をします。
食後に昼寝をすることで、食事の栄養を効率的に吸収できるので、昼寝も大切な稽古の一つといえます。
午後4時~午後6時:部屋の掃除・片付け
昼寝が終わると、部屋の掃除や片付け、電話当番など部屋の仕事をこなします。
稽古の見学を申し込むときは、このくらいの時間に問い合わせると良いでしょう。
午後6時~:夕食
6時くらいから夕食の準備をはじめ、食事をします。
夕食はみんなで机を囲んで一緒にご飯を食べます。
午後7時以降~:自由時間
夕食が終わると就寝時間までは自由時間です。
門限まではある程度自由に過ごせるのでカラオケなど遊びに行く力士もいれば、ジムで筋トレに励む力士もいます。
午後10時ごろ:就寝
翌日も朝5時からの稽古に備えて、10時には就寝します。
幕下以下の力士は大部屋で全員で就寝し、関取以上になると個室が与えられるため、ぐっすりと寝ることができます。
力士にオフはあるの?
部屋によっては週1回の休日を設けることがありますが、休みがない部屋も多いです。
とはいえ、本場所終了後は、戦いで疲れた体を休ませるためオフを設ける部屋もあるなど、部屋によって休みの取り方も違うようです。
力士は毎日こんな稽古漬けの生活を過ごしているの?
朝5時から10時までのスケジュールを紹介しましたが、毎日こんな生活をしていては気が詰まりそうですよね。
実は、毎日こんな生活をしているわけではなく、巡業の際には移動も多いですし、人数が少ない部屋は他の部屋に出稽古をしに行ったりします。
特に関取以上になると、実力の近い力士と稽古をするために、出稽古の機会が増えるので、かなり変動的なスケジュールになります。